ソラマメブログ

2007年05月15日

ムービーな一日 すとらいくすばっく

BGM:PaulaColeBand"Amen"

PaulaColeBandかっちょいいです。さて,すでにもうご覧になった方がほとんどと思いますが,MakapuのオーナーMizさんの新作ムービー「なんでも屋吉兵衛」が封切りになりました。ご覧になっておられない方はこちらへ。

ムービーな一日 すとらいくすばっく完成当日TEAM河童のメンバーにGrpNoticeが送られまして,できればMizさんがONしている間に河童村に行きたかったのですが,ちょうどログされてしまったようで。でも,Mococoさん,Yasichiさんの河童の皆さんに迎えられ,鑑賞会。Mizさんのブログにも書いたので,ちょっと重複してしまうんですが,この作品はほんとにすごいです。ストーリー,カット割り,それらを実現するためのスクリプト,アニメーション,音楽のタイミング,セットの構築,アバターの作成,編集技術,SL内ムービーとしてはおそろしく高度な作品と思います。ただ,これがまた,この「なんでも屋吉兵衛」は間違いなくMococoさんの作品(ご覧になってない方はこちら)の技術や経験の上に積み重ねられてるものであり,もはやこれらの作品群は「河童村スタジオ作品」とでも呼ぶべきものではないかな。各作品の製作経験が相乗効果をもたらしているように見えます。

そして,もうひとつなかなか指摘されていないこと。河童村ムービーの撮影の際には毎回参加させてもらっているのですが,「Kappa!Kappa!Kappa!」も「なんでも屋吉兵衛」ともにエキストラ撮影の際の段取りが非常に整っているのです。スティーブン・スピルバーグも予定の日程よりも短くあげることが多かったと小耳に挟んだことがありますが,やはり撮影の際の段取りのよさも技術のひとつとして特筆されるべきものと思います。

最後にもうひとつここで書いておきたいことがあります。それは使用されてる楽曲の問題です。私も以前やってたMMOでは既存楽曲を使用したムービーをネット上で公開した経験があります。で,ぶっちゃけこの時点で「著作権法違反」であることは間違いないです。Mizuさん,Mococoさん,Yasichiさんは以前米国製MMOでプレイされてきた方々なので,むこうのゲームムービーコミュニティがどんな作品を作っていたかを多少なりともご存知だったはず。そこで,私自身が以前やってた個人のブログで書いた「ゲームムービーに使用される楽曲の著作権問題についてのコメント」を転載します。

--ここから--
それとこういったゲームプレイムービーと使用する楽曲の著作権について書いときます。皆さんご承知の通り,VN(※)などで入手できるムービーのほとんどは既存音楽が取り込まれて使用されています。もちろん,いちいち著作権管理者に許可をとっているとは思えませんよね。以前VNにおいてムービーの作者の一人がアメリカの著作権協会から「勝手に楽曲を使用するのをやめなさい,法的措置をとりますよ」というメールをもらったという事件がありました。このときVNのコミュニテイでは「ムービーを作ってるプレイヤー全員乙」状態になりました。ところが,驚いたことにVNに著作権協会から連絡が入ったらしくコメントが発表されました。

「そのメールはニセモノである。我々の使用する通常の書式とも違う。我々はこういったムービーに使用されている楽曲に対しての法的措置を現在は行う予定にない。あくまでいまのところは・・・だが。」

といった趣旨だったと記憶してます。「おお,ということはおおっぴらに使えるのですか?」という早合点は禁物です。著作権の侵害については「親告罪」なので,あくまで法的措置をとる,告訴に踏み切るかどうかは著作権者の胸先三寸です。そのことは絶対に心にとめておかなければなりません。なので「節度と覚悟」が必要と私は解釈してます。
--ここまで--

ということで,海外ゲームムービー制作者のコミュニティの慣例としては既存の楽曲を使用することは非常に一般的とはいえると思います。(使用することが法的に問題ないとは言ってません!誤解なきよう!ってか法的には明らかに侵害行為ですので)LindenLab自身は「著作権の侵害に対して判断は行わないが,告発があれば積極的に情報開示して協力する」というスタンスだったと記憶してます。ですので,繰り返しになりますが「節度と覚悟が必要」ということでしょうか。いずれにせよ,このコミュニティと著作権管理団体とのよい関係がこのまま続くことを祈ります。

最後に,「河童村スタジオ」のみなさんおつかれさまでした!

※VN(VaultNetworks)米国の大手掲示板サイト。各ゲームのムービーが大量にアップされてます。


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Posted by のてす at 12:11│Comments(9)日月抄
この記事へのあたたかいおことばです
そうですね、音楽については問題は認識しています(__;

今まではほんとうに内輪だけでやっていたため、ある意味「ナァナァ」で済ませてましたが、YouTurbにUPしたり、Blogで紹介したりと、かなり不特定多数の人の目に触れるようになってきましたので、今後は十分に気を使うべきだろうと思っています。

次に作る動画は音楽も自作するかな~w
最近ご無沙汰ですが、以前はよく曲も作ってました。
どこからかシーンに合う曲を探してくるよりも、むしろ作ったほうが楽だなぁと思うこともしばしばありましたし(^^;

マシネマの音楽問題に関する詳細なお話、ありがとうございました。
Posted by Miz at 2007年05月15日 13:12
勉強になるですよ、ねえさん!
Posted by もここ@河童 at 2007年05月15日 13:35
Mizさん,Mococoさん

せっかくの作品に水を差すつもりは全然なくて,むしろそのグレーな部分の実態を「その作品を見ている方々のために」書いておきたかったというのがありまして。誤解しないでいただきたいのは,お二人を責めてるわけではないということです。なんせ,私も以前ネットで公開しちゃってますから(当時は期間限定ということで一応一ヵ月後にサーバ上から削除してました。でも削除したからたといって違反行為だった事実は変わらないのですが(笑)

まあ,極端な話,「子供のホームビデオを録画編集して既存の楽曲をバックにつける。それをDVDに焼いて親戚に送付したら」これ著作権法違反ですからね(笑)つまり厳格に適用してしまうと,おそろしく厳しい法律なので,だからこそ「親告罪」ということで著作権者本人からの告発が必要とされるのでしょうね。

ゲームムービーに関する楽曲使用はずいぶん長い間慣例として続けられていることなので,著作権団体が大きな動きを見せない間は慣例に従うのもありかなとは思います。(従ってもだいじょぶでしょう!とスパッと書けないところが歯がゆい(笑)
Posted by のてす at 2007年05月15日 18:05
わかっております(^^
Posted by Miz at 2007年05月15日 18:36
うっ 姉さんに気使わせてしまったなw
大丈夫、わかってるから~(*≧∀≦)

それより・・・Mizの何でも屋の記事に、あたしの河童のことを
一緒に載せるのはあまりにも酷ですよヾ(`;ε;´)ノ
Posted by もここ@河童 at 2007年05月15日 18:46
Mizさん,Mococoさん

あはは,逆に気を遣わせてしまいました(笑)今後作品がたまってきたら,どこかしら作品を広く公開できる場所が欲しいですね。英語圏も含めて。これだけの作品を埋もれさせるのはもったいないです。
Posted by のてす at 2007年05月15日 19:49
 とりあえずインタラクティブ配信の使用料金早見表置いときますね ノ
http://www.jasrac.or.jp/network/side/hayami.html

 商用なら上部「3 音楽以外を主とした利用(動画、小説、パソコンソフト等) 」、非商用なら下部の「1 個人」または「3 1、2以外(地方自治体、非営利団体、サークルなど) 」ですね。個人は無理かな。

 JASRACが管轄しない外国音楽は、その楽曲を管理している各協会での手続きになります。また、市販の音源(CDとか)を利用する場合は、別途音楽出版社の許諾が必要になります。

 sim内で音楽を流すのもこれになります。
Posted by teess at 2007年05月16日 14:27
詳細な情報まことにありがとうございます。
大変参考になります。
心よりお礼申し上げておきます(^^
Posted by Miz at 2007年05月16日 17:29
teessさん,情報ありがとうございます。
私自身としては著作権法は「モノ作る人に対して敬意を払うことで自国の文化を守る」という法律だと解釈してます。モノ作るには大なり小なり資金が必要で,その資金が回収できない場合,次の作品が作れなくなると。従って,結果的にその国の文化が落ち込むことになる。それは避けないと,っていう法律だろうなと。ただ,JASRACの例の「弾き語りのマスター」事件で音楽はいったい誰のもの?論争も一部ではあったりで,この問題が一筋縄ではいかない側面を表しているように思えます。だからこそ著作権に関してはグレーな運用が余儀なくされてるんでしょうね。

難しいです^^;
Posted by のてす at 2007年05月16日 19:54
 
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